ナナイロのキセキ
(・・・びっくりした・・・。)


人差し指を、唇に当てる。

熱く濡れた感触が、私の身体を火照らせる。


(亮一さんはこういうこと・・・慣れてるのかな。)


落ち着いた表情で、甘く微笑む亮一さん。

私はこんなにドキドキしてるのに、亮一さんは余裕に見える。


(そうだよね、大人なんだもん・・・。)


彼女も・・・何人か、いたって言ってたし。

もちろんこういうこと・・・考えたくないけど・・・してたのかなとか、思っちゃうし。

恋愛レベルの低い私と、経験の差があるのは当然なわけで・・・。

わかってはいるけれど、自分だけがドキドキしているようで、少しだけ悔しくて、そしてちょっぴり切なくなる。

「どうした?そこ、寒いだろ。」

玄関で動かず考え込んでいる私に、亮一さんが声をかけた。

「あ・・・!は、はい・・・。」

心のモヤモヤを振り切るように、私は慌てて部屋の中へ入る。


(あ、これ!)


リビングに入ると、見覚えのあるローテーブルが目に入った。

横浜の家にもあった家具。

以前と同じものがある空間に、私は少し、ほっとする。














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