ナナイロのキセキ
(でも、彼女だし・・・。キスとか・・・ぎゅっとしたり、してくれるし・・・。)


「色気」はないけど、「かわいい」から、そういうことしてくれるのかな。

それにドキドキは、ついてこないものなのかな。

クレンジング剤でメイクをくるくる落としながら、そんなことを考える。

シャワーでジャーっと顔を流すと、そこでようやくあることに気づき、私は思わずはっとする。


(・・・すっぴんだっ!!)


お風呂入ったら当たり前だけど・・・。

初めて、亮一さんに見せることになる。

仕事帰り、メークが落ちた状態で会うことはあったけれど、基本、出かけるときの私の顔は、フルメイクを施している。

土台があるのとないのとでは、見た目もだいぶ、違う気がする。

本当に、完全に、なんにもないすっぴん状態。

アイラインのない目元は、なんともさみしくなってしまう。


(これ・・・がっかりされたらどうしよう。)


「色気がない」で悩んでいる場合じゃない。

「かわいい」すら撤回されてしまうかも!!

私は四つ折りにしたバスタオルで顔を隠しながら、そろりそろりと浴室を出た。






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