ナナイロのキセキ
「でも、目とか・・・確実に小さくなりました。」

「まあ・・・化粧すれば顔がはっきりするのは確かなんだろうけど。

ナナはどっちでもかわいいよ。」

そう言って、顔を覆った私の両手を握ると、その手をゆっくり降ろしていく。

うつむいている私をのぞきこむようにキスすると、「うん。やっぱりかわいい。」と言って、そのまま浴室へと消えて行ってしまった。

パタン、とドアの閉まる音が聞こえると、私ははーっと息を吐く。


(・・・ドキドキする。)


さっきから私、そればっかり。

見えなくなった亮一さんのぬくもりを、握られた手に、重ねられた唇に感じる。

お風呂から上がってだいぶ経つのに、私はいつまでも、身体が熱いままだった。



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