ナナイロのキセキ
「うん。いま来たとこ。そういえば、坂下さんのとこ行ってたんだよね。

どうだった?」

「えっ!?」

私は初めて亮一さんと結ばれたことを思いだし、みるみる顔が熱くなる。

「・・・いやいや。野暮なこと聞こうとは思ってないよ。

久しぶりに会ったら、そりゃまあいろいろあるでしょう。

そんなに赤くなられたら、こっちが恥ずかしくなっちゃうよ。」

うりうりと肘をついてくる有馬さん。

「じゃなくて、神戸の街、どうだったのかなって。」


(そ、そうだよね、そっちだよね・・・。)


私は焦って下を向く。

「えっと・・・よかったですよ、すごく。

ごはんはおいしいし、夜景はきれいだし・・・。

海が近くて中華街があって、横浜に似てるなって思いました。」

「へー。じゃあ親近感わくね。」

「はい。あ、おみやげ買ってきたので、後で渡しますね。」

「わ!本当?うれしいなー、楽しみ。」

二人でうきうきと話し、お互いに気合いを入れてから、それぞれ仕事モードに入っていく。


(よし!がんばろう!)


私は結っていた髪を結びなおすと、お客さんに笑顔を向ける。

その日はいつも以上に来店数が多く、終業後はぐったりだった。

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