ナナイロのキセキ
いまだ落ち着かない心と乱れた呼吸で、私はなんとかそう答えると、亮一さんは目を細めながらふっと笑う。

「ジタバタしてるナナがかわいかったし、

降りるまでこのままでいいかとも思ったんだけど。

・・・まあ、あのへんでやめといた。」

淡々と告げるメガネの甘い顔が、私はいつも、罪だと思う。

しかも最近ちょっとだけ・・・いじわるが加わっている気がしていた。



台湾料理の店で夕食を済ませると、私たちは亮一さんが予約してくれたホテルへと向かった。

みなとみらいの中でも有名なそのホテルは、女の子なら、一度は泊まってみたいと憧れる、高級感のあるホテルだった。


(自分がここに泊まれるなんて・・・思ってもみなかった。)


「最上階は取れなかったんだけど」と亮一さんは申し訳なさそうに言ったけれど、

ひとつ階が下になっただけのその部屋は、

最上階となんら変わることはないと私は思う。

部屋のドアを開けると、その広い空間の先には、一面に広がる大きな窓。

そこから見える夜の景色に、私は心を奪われた。

「キレイ・・・!」







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