ナナイロのキセキ
「オレも、大好きだよ。」

亮一さんは、静かにやさしくそう呟くと、私を抱く腕に力を込める。

「・・・初めて聞いた。」

「え?」

「ナナの・・・好きって言葉。」

「・・・はい・・・。」

「もちろん、わかってたことだけど。

ちゃんと言ってもらえると、やっぱりうれしい。」

「・・・。」

コクン、と私は言葉なく頷く。

亮一さんの手が、そんな私の頬に触れる。

そのままゆっくり滑らすと、私のあごを持ち上げて、愛しむようにキスをした。

「ナナ。」

亮一さんの体温が伝わる。

キスの合間に名前を呼ばれると、私の胸はキュンと切なく震えだした。

「亮一さん・・・。」

応えるように、求めるように。

私が亮一さんの首元に腕をまわすと、彼は私をお姫様のように私を抱きあげた。






< 199 / 261 >

この作品をシェア

pagetop