ナナイロのキセキ
翌朝、まどろみの中、重い身体で身をよじると、隣で眠る亮一さんの顔が真横に見えた。


(おはようございます・・・。)


心の中で声をかけると、起こさないように私はそっとベットを抜け出した。

乱れた衣類を整えると、タオル素材のスリッパに足をひっかける。

そのまま窓際に歩いていくと、重厚なカーテンのヒダを端にそろえた。

まぶしい朝日が室内を照らす。

はっとしてベットに視線を向けたけれど、その光は、亮一さんの顔には届いていなかった。


(起こしちゃったら、また「キスして」って言われちゃいそうだし・・・。)


まだ眠る亮一さんを確認すると、窓の外の景色に視線を戻す。


(夜景ももちろんきれいだったけど・・・。

朝のみなとみらいも・・・また違って、キレイだな。)


ガラス越しでも、その、澄んだ空気が伝わるように。

限りなく白に近い、スカイブルーの空を見上げる。

ここはやっぱり、特別な街。

そして私が今居る場所は、そんな特別な街の中にある、さらに特別な、私たちだけの場所。

この景色を胸に刻むように、私は、窓ガラスにコツンと額を当てる。



< 204 / 261 >

この作品をシェア

pagetop