ナナイロのキセキ
「んー・・・。」

眠たげな声と布団がずり落ちる音が聞こえ、私はベットに目を向ける。

見ると、メガネをかけたばかりの亮一さんが、上半身を起こし、空気を含んだ髪の毛をワシャワシャとかきあげている。

「あ・・・ごめんなさい。まぶしかったですか?」

「いや、それはいいんだけど。

・・・ナナが隣にいないから、焦った。」

「え?」

眠たさと、不安が入り混じったような表情で、亮一さんはメガネをグッと押し上げる。

「昨日・・・オレ、ちょっと強引だったから・・・。

嫌われたんじゃないかと思って。

・・・心配した。」

「そ、そんなこと・・・!」

一瞬にして、昨夜の記憶が甦る。

触れられて、抱きしめられた感触が、いまでも強く残っている。

自分を見失いかけるほどの行為を思い出し、いまにも顔から火が出そうだった。

「・・・ない?」

「・・・はい・・・。」

そう、答えることしかできない。

もちろん恥ずかしさは否めないけれど・・・嫌だとか、そういう気持ちはもちろんなくて。

亮一さんが与えてくれるものは、全て受け入れたいし、それに応えたいとも思う。

全てに応えるというのは・・・なかなか・・・難しいけれど。



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