ナナイロのキセキ
「・・・。」

言われて私は考える。


(そう、なのかな?)


私は・・・甘えていないのだろうか。

いつも優しくしてもらって、甘えているつもりだけれど。

信頼していないわけではもちろんない。

でも・・・その気持ちが足りないのだろうか。

それとも、私は甘えるのが苦手なのだろうか。

自分ではよくわからず、その場で自問自答を繰り返す。

「・・・私も遠距離してたって言ったでしょう。

しかも、私の場合は私が社会人で彼が大学生だったから、もう大変。

だから、牧野さんの気持ちもわかるけど・・・

彼氏の気持ちもちょっとわかるかな。甘えてほしいとか。」

「え・・・。」

店長が、昔を懐かしむように苦笑いする。

「まあ・・・とにかく距離って大事だなあと思ったよ。

近くにいればなんでもないことも、ケンカの種になったりするしね。」

しみじみとした面持ちで言うと、「前置きが長くなったけど」と、店長は私の顔を真っ直ぐに見た。

「牧野さん、神戸に行かない?」

「えっ!?」




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