ナナイロのキセキ
(相当、急いで来てくれたんだ・・・。)


その事実と、久しぶりに見るスーツ姿にキュンとする。

普段着ももちろんかっこいいけれど、亮一さんのスーツ姿は、やっぱり格別だと思う。

ドキドキしながらぽーっとなって見ていると、亮一さんは、心配そうに私の顔をのぞき込む。

「大丈夫?ごめん、疲れてるのに待たせて・・・。」

「・・・ううん。座ってただけだから大丈夫ですよ。

久しぶりにスーツ姿見たら、かっこよくて見とれちゃったんです。」

えへへ、と素直に思いを伝えると、亮一さんは途端に照れた様子を見せた。

「そ、そっか・・・。なら、いいんだけど。」

ネクタイをキュッと締め直し、ジャケットの襟をピンと伸ばした。


(ふふっ、照れてる・・・。)


ちょっとうつむいて、後頭部をかく亮一さん。

いつもと変わらない反応に、思わずほっと和んでしまう。

「えっと・・・じゃあ、行こうか。」

亮一さんは、照れ隠しのようにそう言うと、私の荷物をさっと持ち、出口に向かって歩いて行った。











< 237 / 261 >

この作品をシェア

pagetop