ナナイロのキセキ
二人で手をつなぎ、夜道を歩く。

駐車場まで辿り着くと、いつものように助手席のドアを開けてくれた。

「ありがとうございます・・・。」

久しぶりに乗る車の中。

グレーのシートに身を沈めると、懐かしい香りがした。

反対側のドアが開き、運転席に乗り込んだ亮一さんは、私の頬にふわりと軽いキスをする。

ドキッとして私が視線を投げかけると、やわらかく微笑んで、ゆっくりアクセルを踏み込んだ。

「・・・変わってなくて、安心した。」

「え?」

前を向いたまま、亮一さんが話し出す。

「ここのところ、ちょっと気まずい感じがしたし。

話があるとか言うから。

まあ・・・ちょっと、心配したんだけど。」

「安心するのは早いかな」と付け加えたけれど、その横顔は穏やかだった。


(もしかして・・・別れ話するとでも思ったのかな・・・?)


私が亮一さんの横顔をチラリと見ると、目線だけこちらに向けてふっと笑った。








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