ナナイロのキセキ
髪に、大きな手が触れた気がした。

「着いたよ」という声に目を開くと、視界に入ったのは亮一さんのマンションだった。

「わっ!!ごめんなさい、私、ほんとに・・・!」


(寝てしまった!)


がバッと起きて姿勢を正すと、亮一さんは声を出して笑った。

「いいよ。寝てろって言ったのオレだし。」

そう言ってシートベルトをはずすと、亮一さんは私にそっとキスをする。

「疲れてたんだろ。すぐに寝てたよ。」

のぞき込むように言われ、私は頬が熱くなる。


(まさかよだれとか・・・垂らしてないよね!?)


確認するように口元を触る私を見て、亮一さんはまた笑う。

「大丈夫だよ。おとなしく、かわいく寝てたから。」


(・・・それって、どんな寝方だろう・・・。)


私は逆に、心配が増した。


< 240 / 261 >

この作品をシェア

pagetop