ナナイロのキセキ
関心しながら、温かいカップに手を添える。

寄り添うようにお互いの腕が触れ合う、私たちの距離。

以前はドキドキと緊張していたのに、いまは、ドキドキしても、安心する。

右腕に感じる彼の体温に、私はほっと、気をゆるめた。

何度かコーヒーを口に運ぶと、亮一さんは思い切ったように私を見る。

「それで・・・話って、何?」

緊張気味の声。

私もつられて身体に力が入ったけれど、気持ちを静めるように、両手を開いて膝にそろえた。


(・・・よし!)


「私、神戸に転勤するんです。」

「え?」

メガネの奥の瞳が、大きく開く。

「転勤って・・・ナナが?」

「はい。今度、うちの神戸店がオープンするんです。

そのオープニングスタッフとして、転勤することになりました。」

「えっと・・・それは、もう決定なの?」

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