ナナイロのキセキ
そして、1年が過ぎたとある土曜日の夜。

私は仕事が終わると、直接亮一さんの住むマンションへと向かっていた。

夕飯は、亮一さんが「何か作っておく」と言ってくれている。


(結局、生姜焼きもからあげも、数回しか作れてないんだよね・・・。)


土日はほとんど仕事の私のために、亮一さんは「オレは休みだから」と言って、いつも料理を作っておいてくれるのだ。


(しかもおいしいし・・・。

この一年で、確実に腕が上がった気がする。)


ますます私の料理の腕と、差が開いた気はするけれど。

どちらにせよ、「彼が料理を作ってくれている」なんて、うれしいし幸せで、私はいつも甘えている。


ピンポン、とドアのチャイムを鳴らしてから、合鍵で家の中へと入っていく。

チャイムはいらないのかなと思いつつ、同棲しているわけではないし・・・と、なんとなくいつもチャイムを押してから、中に入るようにしている。

亮一さんは、「どっちでもいい」そうだけど。

「こんばんは。」

リビングに入ると、おいしそうな香りに包まれる。

「お疲れ。すぐできるから、座ってて。」

私がキッチンに顔を出すと、亮一さんはこちらを一度振り返ってそう言うと、すぐさままた料理の支度にとりかかる。

ほどなくして出来上がった料理は、私の大好きなグラタンだった。

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