ナナイロのキセキ
(坂下さん、絶対に私に甘いと思う・・・。)


もちろん、うれしい気持ちはあるのだけど、

毎回毎回ごちそうになってしまうのは、やっぱり申し訳なく感じてしまう。


(夜ごはんはいつもそれなりにするし・・・。

一応私も社会人だし・・・。

でも、年上の彼氏だと、こういうのが当たり前なのかな?)


高校時代の恋愛感覚と比較して、うーんと考え込んでしまう。

そのとき、「はい」と、テーブルの上に白いマグカップが置かれた。

マグカップの中を覗き込むと、かわいらしいうさぎのラテアートが施された

カフェラテが、ふわふわと湯気を立てていた。

「わ!ありがとうございます。かわいい!」

「うん。うさぎか葉っぱかどっちにするか聞かれたから、

なんとなくうさぎにした。」

感激して興奮気味にお礼を言うと、坂下さんは状況を淡々と説明してくれた。

「はい。うさぎで、うれしいです。」

「そっか。よかった。」

静かに、満足そうに微笑む坂下さん。


(ふふ・・・。坂下さんがうさぎのカフェラテ注文するところ、

見たかったな。)


「坂下さんは何にしたんですか?」

「普通のコーヒー。コーヒーに、なにか入ってるの苦手なんだ。」
< 58 / 261 >

この作品をシェア

pagetop