ナナイロのキセキ
「・・・ぷっ。」

坂下さんが、思わず吹き出す。

「なんか、居酒屋の店員さんみたいだね。」


(う・・・。恥ずかしい・・・。)


「ご、ごめんなさい・・・。」

「いや、別に謝るとこじゃなくて・・・。逆に、なんか緊張が溶けた。」

「え?」


(緊張してた?・・・もしかして、坂下さんも、ずっと同じこと考えてたのかな。)


坂下さんを見つめると、ふっと、いつものやさしい笑顔を見せる。

「じゃあ、改めて・・・。はい。」

そう言ってもう一度差し出された手に、私はそっと、自分の手を重ねてみる。

その手を、坂下さんは、少しだけ遠慮したように、そっとやさしく握ってくれる。

「行こうか。」

「はい。」

二人の距離が、また一歩、近づいた。

はじめてつないだ坂下さんの手は、とても大きくてあたたかくて。


(・・・大好き。)


きゅっと、その手を握る。

私はとてもあたたかく、幸せな気持ちになっていた。
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