ナナイロのキセキ
それからまた一か月。

私たちは、お互いに、いつもの日常に戻っている。

相変わらず忙しい亮一さんと、それなりに忙しい私と。

基本的に土日休みの亮一さんと、土日が仕事の私と。

時間のズレが生じて、どうしてもメール中心のやりとりになってしまう。

それでもたまに電話で話せると、とても幸せな気持ちになる。

ものすごく会いたくて、さみしくなるのに、

それは、どうしようもできなくて。

ただ切なくて。

気づくと、自然に涙が出てしまい、止まらなくなることもある。


(・・・でも、今日は。)


亮一さんが出張でこちらに来ることになっている。

今回も日帰りだけど、また、夕食を一緒にとろうと

いうことになっている。


(絶対に今日は残業しないっ!!)


とりあえず今日の予定を確認すると、多少の延長依頼が入っても、

定時に上がれそうな気配である。


(うん!がんばろう!!)


私はいつもよりもテキパキと、タオルの整理やオイルの補充を行っていく。

「ナナちゃん、今日デートでしょう?」

近くにいた有馬さんが、にこにこしながら聞いてくる。

「・・・はい。わかりますか?」



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