ナナイロのキセキ
「まあ、変われる残業だったら私が変わるから。

ナナちゃんは、がんばって早くあがりな。」

「わ!はい!ありがとうございます!」


(有馬さんには、いつもお世話になりっぱなしだな。)


いつかきちんとお礼をしようと心に決めて、私は、

その後の仕事もテキパキと、自分なりにがんばってこなしていった。



「じゃ、おつかれさまでした!」

「うん。楽しんでねー。」

有馬さんに手を振りながら、お店のドアを開けて外に出る。


(よしっ、ほぼ定時ジャスト!)


先ほどメールを確認した時には、

亮一さんもちょうど仕事が終わったと書かれていた。

「どうせ通るから」と、お店の前まで来てくれるとのことだった。


(亮一さん、もういるかな?)


そう思って辺りを見回すと、入り口から少し離れた樹木の下のレンガに、

座っている男の人の影が見えた。


(亮一さん・・・?)


近づいていくと、気配に気づいたのか、その影が振り返る。


(あれ?)


違った・・・。

その人は、亮一さんではなく、

最近来るようになったお客さんの関口さんだった。

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