ナナイロのキセキ
そう言ってひらひらと手を振ると、関口さんはそのまま帰っていく。

「ちょっ・・・!」

追いかけようかと思ったけれど、関口さんが歩いていくその先には、

亮一さんの姿があった。

ここで追いかけたりしたら、余計に誤解を生むかもしれない。

でも・・・。

迷っている間にも、関口さんと亮一さんの距離は近づいていく。

そしてすれ違った瞬間、二人の視線が、ぶつかった気がした。

後ろめたいことは何もないのに、なぜか私はうつむいてしまう。


(どうしよう・・・。絶対、誤解されている気がする・・・。)


どのくらいの時間がたったのか。

気づくと、近づいてくる足音がした。

そして、その足音の主は、私の前でピタッと止まる。

「ナナ。」

声を聞いて顔を上げると、そこには、大好きな人が立っていた。

「久しぶり。」

ポンと頭に手をのせて、やさしく笑う亮一さん。

いつものことのはずなのに、どこかぎこちないような感じがした。

「・・・はい。」

私も、ものすごくうれしくて、ぎゅっと腕に抱き付いてしまいたいのに、

なぜか、短く返事をすることしかできなかった。










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