私たち、政略結婚しています。
私が嬉しくなって弾んだ声で言うと、それとは裏腹にお義母さんは急にもじもじしながら口ごもった。
「お義母さん?」
「あの……あのね、だから…、もういいのよ。
克哉と結婚して会社を合併させて、うちと浅尾屋さんにとってはお互いに十分な利益があったわ。うちも共同開発で新商品をいくつか軌道にのせることができた。
でも克哉も佐奈さんも、もう自由にしていいの。親戚関係がなくなってももう大丈夫。
――……別れて、自由になっても、もう誰も困らないわ」
「……え…」
克哉と二人でお義母さんを見ながら固まる。
もう…夫婦でいる理由が…ない?
自由……?
「母さん。俺達は政略結婚なんかじゃない」
「え?」
克哉の言葉にお義母さんは首をかしげた。
「お互いが必要だと確認して本物になった。別れたりなんかしない」