兄妹 恋々
「あっ、つばきのことは、俺がもちますよ」
淳兄が零に言った。
私も淳兄の方が安心だ。
零にお姫様だっこされるのは、心臓がもたない。
一応女子ですからっ‼︎
だが零はニッコリして言った。
「大丈夫です。俺、力には自身あるんで」
「あ…そうか。よろしく頼むよ。」
淳兄っ‼︎‼︎
そこで引き下がらないでぇぇぇ‼︎‼︎
心臓がいつもより大きく、早く脈をうっている。
顔も熱い……。
「あのぉ…私、肩貸してくれれば歩けます…!」
淳兄意外の男の人と、手を繋いだこともない私にとって、お姫様抱っこはハードルが高い…。
零はまたニッコリと笑う。
「だめ。」
零は一言そう言った。
なぜかその一言に、ときめいてしまった。
「あっ、もしかして嫌なの??」
「そんなわけじゃ…‼︎」
「ならいいよね?」
「はい…」
うぅ…恥ずかしい…