君想い【完】
「まだいた!良かった!ゆかりちゃん、香代ちゃん久しぶり!」
走って来て、少し化粧を崩れた姉貴が僕の部屋に飛び込んで来た。
コートを脱ぎ捨て、僕のベットでくつろぎだす。
「新しい情報ね。一昨日、佐倉龍司とさりなが会ってるの。」
「どこで?」
「ICEっていう新宿にあるバー。見かけた人がいるの。」
ゆかがノートにバーの名前と一昨日の日付をメモしていた。
「俺ICE行ったことあるよ。先輩と。ちょっと危ない所だったからすぐ出たけど。」
「トシ!あんたもう二度と行くんじゃないよ。あそこは東龍の連中が溜まる場所。バーなんて名ばっかりで、薬の売買やったりしてるんだから。」
なんでこの人はそんな事まで知ってるんだろう。
誰もがそう思った瞬間だった。
でも姉貴の存在が怖すぎてだれも突っ込めずにいた。
「会ってどうしたの?」
「その場にいた人の話だと、さりなが何か聞こうとしていて相当詰め寄ってたらしい。でも佐倉龍司は首を傾げるばっかりだったとか。」
「姉貴は佐倉龍司と知り合いじゃないの?」
「知り合いだけど、面倒なの。あいつ。」
トシが姉貴と目を合わせて頷いた。
面倒な理由を知っているみたいだった。
佐倉先輩の周りとは仲の良かったトシも
佐倉先輩とだけは関わりがない。
「あの人、薬で相当イカレてんだよね。」