君想い【完】
鞄に隠れてゆかが顔を赤くしていた。
息が上手く続かない。
格好いい言葉を言っても
汗を流して、息切れしているから
格好も付かない。
こんな頼りない僕の言葉でも
ゆかは顔を赤くしている。
「行こう。」
ゆかの肩を抱き、
学校を出た。
久しぶりに抱いた肩は前より骨が当たる。
緊張で手が震えている。
ゆかにも伝わってしまうくらい震えが止まらなかった。
「僕のなんで。なんて嘘ばっかり。」
「あの場合は嘘でも付かなきゃ仕方がないでしょ。」
「嘘でも嬉しかったけどね。逃げるためでも肩に手を掛けてくれたのが嬉しかった。」
素直すぎるゆかに僕は答えが出ない。
何をしても
今の僕はゆかを裏切ってしまう気がした。
「純?早く真実が分かるといいね。」
「そうだね。あっこ先輩何か知ってるといいんだけど。」
僕の引きつった顔を見て、
ゆかは自ら話を変えてくれた。
僕はどこまでゆかに気を遣わせれば気が済むんだろう。