君想い【完】
祥吾の部屋は
来るたびに嫌な音がする。
エレベーターと同じ音。
祥吾が機械に生かされている事を現実に受け止める瞬間だ。
「元気かー?」
どんなに陽気に入っても、
祥吾は返事はしない。
「祥吾くん。今みんなでさりなちゃんの事調べてるんだよ。祥吾くんが目を覚ますまでにさりなちゃんを前の明るいさりなちゃんに戻すからね。」
「祥吾。今何見てる?祥吾の頭の中でさりちゃんは笑ってる?僕じゃ何も出来ない。僕じゃさりちゃんは笑ってくれないよ。祥吾、僕にお前はさりなの事良く分かってるってよく言ってたじゃん?僕、さりちゃんの事何も分かってなかったよ。」
目に涙が溜まっているのが分かった。
ゆかを目の前にして泣くことは出来ない。
でも、
さりちゃんをすぐに救い出せない事が悔しい。
「さりちゃんって、」
「どうしたの?」
「さりちゃんって今の状況に満足してたりして。僕たちがさりちゃんを助けるのって意味がなかったりしないかな?」
「そんなわけないでしょ。」
「だって干渉するなって言われたんだよ!」
「純!さりなちゃんがどうとか知らないよ!ゆかは真実が知りたいだけ。純もそうでしょ?このまま分かんないままじゃみんなが苦しむだけなの。」