君想い【完】
「中澤さりなと榎本祥吾って付き合ってるんだって。」
夏休み明け、
僕の知らない噂が学校中に飛び交っていた。
夏休み中、
3回ほど2人で歩いているのを見かけられたらしい。
僕はまったく知らなかった。
中澤と呼んでいた榎本祥吾は、
さりなと呼ぶようになり、
榎本と呼んでいたさりちゃんは、
祥ちゃんと呼ぶようになっていた。
何も聞かされていなかった僕は絶望と不安で真っ暗だった。
いつものように屋上でご飯を食べていてもさりちゃんは来ない。
「純、平気?」
心配そうに問いかけるトシに苦笑いで頷いた。
おいしいはずの卵焼きもうまく喉を通らない。
思いっきり失恋した。
人生初の失恋。