君想い【完】
「おーい!純?」
目を開けると目の前には大好きなさりちゃんがいる。
「真面目な純がさぼりなんて珍しいじゃん!」
携帯を開くともう5、6時間目はすでに終わっている時間だった。
「今日部活ないから一緒に帰ろう!」
僕の鞄を持ち、にこやかに笑うさりちゃんは、
太陽の光に反射してすごく眩しかった。
「トシは?」
「帰った。」
起こしもしないで薄情な奴、最初はそう思った。
けど、トシなりの気遣い。僕が教室に行きたくないことを分かっていたのだろう。
「帰るか…。」
重たい体を持ち上げてさりちゃんの手から自分の鞄を取った。
今までと変わらない笑顔を向けてくれた。
それが素直に嬉しくてまた泣きそうだった。
屋上から見えるプールには榎本祥吾の姿がある。
悔しいけどあいつの泳ぐ姿は目が離せないほど格好いい。
「早くー!帰ろうよ!」
ドアの前で手招きしている可愛いさりちゃんと奴はお似合いかもしれない。