君想い【完】
「さみー。」
トシの自転車の後ろでずっと言い続けた。
歩いて帰れよ。まだその方があったかいぞ。
って何度も言い返された。
「カップル増えすぎじゃない?そんなクリスマス近くなると焦るもの?」
「知らない。僕は生まれてからずっとさりちゃん家とクリスマスパーティーだったから。そして今年も。」
「俺だって家でちんけなクリスマスパーティーだったよ!純、その中澤の家とのパーティーは何日?」
「25日。24日はさりちゃんがデートらしい。」
「24日遊びに行こう!」
「嫌だよ!なにが悲しくて男2人でクリスマスなんて。」
本気でクリスマスにわざわざトシと2人で出掛けたくないと思った。
はっきり言うと、トシは口を大きく開けて笑い出した。
「うん!うける!俺だって男2人なんて嫌だよ。しかも毎日一緒にいる純なんて。」
「じゃあ何?」
軽快に坂を下りながら24日の計画を話してくれた。
冷たい風が頬を痛みつけてくる。
トシは気晴らしにもなるだろう、と言っていた。
確かに24日のさりちゃん達のデートは考えたくない。
だから僕はトシの誘いにのった。
まあその前に期末が残っているんだけど。
僕はまたさりちゃんに付きっきりの1週間になるだろう。