君想い【完】
「何でもいいよ!純くんは?」
「僕もなんでも。香代は何食べたいんだろう。」
2人に追いついて香代に聞くと香代はハンバーグと答えた。
「じゃあ、あそこだな!」
トシだ指を指した先には、2階にある小さな看板のお店を指した。
僕とゆかりちゃんは目を合わせた。
ハンバーグはトシの大好物だ。
好きな相手に合わせてあげたい、という香代の気持ちが伝わってくる。
「かわいいね。ああいうの。」
「そうだね。ゆかりちゃんも好きな人になら合わせてあげたい人?」
自分たちの恋愛の仕方を話した。
ゆかりちゃんはあくまでも自分の意志を主張するらしい。
合わせていたらいつか疲れて冷めてしまいそうだから、らしい。
「純くんは合わせそうだね。さっきも自分の食べたいものより、人の意見を優先した。」
「でもゆかりちゃんも何でもいいって。」
「ゆかは本当に特に食べたいものがなかったんだよ。」
僕は好きな子が笑ってくれていたらそれでいい。
そう答えた。
合わせてあげるとかじゃなくて、
その子が毎日僕といて、楽しいと思ってくれればそれでいい。
「純くんらしい。いつもそうやって中澤さんのそばにいてあげてるんだね。」
にっこりと笑いながら階段をあがるゆかりちゃんはやっぱりお人形さんみたいだった。