*花は彼に恋をする*【完】
あの時は…課長を早く諦めたくて
ただそれだけに躍起になって
無理やり付き合っていた時だった…。
それを課長本人に見られてたんだ…。
驚き固まった私に彼は頷くと
「…後悔したよ。
なぜ、もっと早く
玲花に告白しなかったのか…とか
報宣から営業に異動する時が
一番のチャンスだったのに
なぜ勇気を出さなかったのか…とか
…それに、なぜ自分は
見合いに逃げようとしたのか。
…悔やんでも悔やみきれなかった。」
「…課長。」
「…玲花の心は
俺じゃない誰かを見ているはずだから
何度も諦めようと思った。
でも…やっぱり頭から離れないんだ。
『今頃また誰かに何か言われてないか。
泣かされてはないか。』とか
玲花の事いつも秘かに
気になってばかりだったよ…。
だから…こうして触れたかった。」
そう言って
黒瀬課長は私をグッと引き寄せると
「…俺が好きなのは玲花だ。」
と、甘く私の耳元で囁いた後
そっと私を優しく抱き締めた。