*花は彼に恋をする*【完】
『愛してる。』
黒瀬課長…翔英さんからの愛の言葉。
私だけに言ってくれてる。
嬉しくて、嬉しくて…涙が出そう。
叶わない、報われないと
諦めた恋心が花開いた。
…あっ、でも。
また思い出した事があった。
「…黒瀬課長……翔英さん。
今思い出したんですけど
ビルの玄関で瑛美香さんに
『好き』とか『愛してる』って
話していたのは何だったんですか?」
あれを聞いて私は逃げ出した。
恋人同士の会話みたいで
誤解しちゃったから…。
すると
「…ああ、あれは玲花の事だよ。」
翔英さんは私の頭を撫でながら
サラリと言った。
「…えっ!?…私の事?」
驚いて少しだけ顔を見上げると
翔英さんの漆黒の瞳が合った。
ドキッとしながらも返答を待つと
「…ああ、そうだよ。
夕方に出張から帰って来てから
瑛美香に用事があって
あのビルに行ったんだ。
で、帰りに玲花の話題になった。」
「…わ、私の!?」
何の会話だろう?と驚く私に
「…アイツには
俺が玲花を好きな事を話してるから
そんな会話になったんだよ…。
…誤解させて悪かった。」
そう言った翔英さんの片手が
頭から顎に移動した。