*花は彼に恋をする*【完】
…私の肩がピクッと震えた。
バスローブとパジャマを通して
前に回された翔英さんの腕や
逞しそうな胸板の感触が伝わって
聞こえてしまうんじゃないかと
思うぐらい、鼓動が増して
ドキドキが止まらなくなる。
フワッと
鼻を掠めるシャンプーの香り。
バスルームのバラの香り…。
私の髪と同じ香りがした。
「…玲花。」
彼が抱き締めていた腕の力を緩めると
両肩に手を置いて
私の向きをくるりと変えさせた。
「……!!」
見上げた先には
さっきまでとは違う
真剣な眼差しの翔英さんが
私を見つめていた。
「…翔英さん?」
暗くてもちゃんとわかる。
彼は何かを言いたげにしてる。
「…玲花。」
案の定、私の名前を呼んだ彼に
「…はい。」
ドキドキしながら返事をすると
「…俺は…玲花を…。
今すぐキミを…抱きたいんだ。
…ダメ…だろうか?」
翔英さんがやや顔を紅くしながら
私にそう言った。