*花は彼に恋をする*【完】
「…あっ、ごめんなさい。
黒瀬課長…心配して下さって
ありがとうございます。
赤羽…主任がすぐに
止めに来てくれましたから…。
大丈夫ですから…心配ないです。」
私は何でもない事を強調した。
本当は嘘…。
…赤羽の前で泣いた。
あの男に叱られた。
だけど…黒瀬課長には言えないよ。
あなたにも心配はかけたくない。
「……。」
黒瀬課長は一瞬だけ沈黙した後
「…ならいいけど。
野田さん…君は赤羽や
2課の三橋とも親しいようだけど
何かあれば…俺だって
君の元上司なんだから
何でも相談してくれよ。」
と、黒瀬課長は私にこう言った。
その言葉に一瞬
胸がドキッとしたけど
でもその反面
『…元上司だから。』
この言葉に引っ掛かりを感じたけど
わざわざ心配して
電話してくれた事は嬉しかったから
「…ええっ…はい。
ありがとうございます。」
私は素直にお礼を言った。
すると黒瀬課長は
クスッと笑いながら
「…ああ、礼には及ばない。」
と言った後
「…野田さん。
ちょっと聞くけど
再来週の土日…どちらも空いてる?」
と、私にそう聞いてきた。