*花は彼に恋をする*【完】
黒瀬課長の問いかけに
私から出た言葉は
「…えっ!?」だった。
だって
『…土日どちらも空いてる?』なんて
聞かれたのは初めてだったから。
驚いて黙っていた私に
「…野田さん?聞いてる?
再来週…都合悪いか?」
電話の向こうで黒瀬課長が
不安が混じるような声で
私からの返事を促していた。
「…あっ、はい、すいません。
再来週はどちらも…あの…。
別に…大丈夫です。
特に何もないです。」
慌てて私はそう返事を返すと
「…良かった。
じゃあ…再来週はどちらも
空けておいて欲しい。」
彼は安心したような声で
私に再来週の約束を取り付けさせた。
「…あの、黒瀬課長。
その日は何かあるんですか?
どこかへ行くんですか?」
気になる私に
「…悪いけど…まだ、言えないんだ。
だけど、とりあえず…空けておいて。
今週末には確定するから
来週にはちゃんと知らせるよ。
それじゃ……ダメか?」
彼は申し訳なさそうな声を混じらせた。
「……あの。」
本当は凄く気になるけど
私の大好きな声で
『…ダメか?』なんて聞かれたら
私は胸がキュンとなってしまう。