*花は彼に恋をする*【完】

子どもをあやすように

私の頭を撫でる瑛美香さんは

「…本当に気にしないで。
翔英はいい大人なのに
こんなにヤツだから
昔から私の方が世話焼きで
口うるさくなっちゃうから
周囲から
『双子に見えない』とか
『瑛美香の方が年上に見える』って
良く言われるの。」

と、さっきよりは

優しい口調で私を見た。

「……。」

確かに

口数が少ない黒瀬課長に比べると

瑛美香さんは良く話すし

声質も全く違うから

双子に見えないと言えば

お姉さんに見えてしまうと言えば

そうかもしれない。

「…でもね、男らしいところや
優しいところは勿論あるから
玲花ちゃん、今後ともよろしくね。」


瑛美香さんは私の背中を

優しくさすりながら立ち上がると

「…翔英、あなたはまだ
玲花ちゃんが抱えてる不安や誤解を
完全に解いてないはずだから
これを機に取り除いてあげて
素直に向き合いなさい。
いつまでも曖昧に
引き延ばしてんじゃないわよ!!」

瑛美香さんが黒瀬課長に

語気を強めると

「…わかってる。」

彼も少しだけ顔を紅くしながら

私にチラリと視線を向けた。









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