彼となら、   熱くなれる
「私、どうしたらいい?」

「ベッドに横になって。自分に言い聞かせるから。」

「何を?」

「俺の目の前に妖しくしなる白い女は妹じゃないと。」

私は両腕を頭の後ろでクロスさせてポーズをとった。

「珠良、必要以上に俺を刺激しない方がいい。」

私はやめなかった。

「珠良、やめるんだ。いい子だから。」

「ごめんなさい。」

「まず触診から始めようか。」

「はい。」私はおとなしく兄の言うことをきくことにした。

何も感じなかったら本当に病気だと観念しなげればならないし、暗い未来が待つだけだと思った。

兄は医療用のグローブを両手にピッチリとはめた。

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