彼となら、   熱くなれる
「では始める。体の力を抜くんだ。膝を立てて、いい?」

「はい。」

私はベッドに横たわって天井に目を向けたまま、体の力を抜いた。

そして膝を立て兄の診察に任せた。

「脚を開くから、そのまま楽にして、いいね?」

「はい。」

兄の指が肌に触れた。

何も感じなかった。

兄の動く指先に意識を集中してみたが、まるで麻酔が効いているかのごとく何も感じなかった。

ダメだわ、全然感じない。

私は相変わらず天井を見据えたまま、気分が落ち込んでいった。

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