雪恋ふ花 -Snow Drop-


お風呂場もきれいに掃除されていた。
湯船をのぞいて、珠は絶句する。
淡いピンク色の泡が浮いていたのだ。

軽く湯をかぶって、もこもこの泡風呂の中に身を投じると、珠は思わず笑いがこみあげてきた。
まさか、毎日、春人は泡風呂なんだろうか?
それとも休日の朝の楽しみなんだろうか?

いい香りのボディソープに、トリートメントまで置いてある。
そして、やっと気づいた。

どうして、春人は一人だなんて勘違いしたんだろう。
30歳なんだから、そういう相手がいてもちっともおかしくないのに。

これは彼女と迎える朝のごく普通の風景なのかもしれないと。

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