雪恋ふ花 -Snow Drop-

珠は気になっていたことを聞いてみることにした。


「あの、春さんはいつも泡風呂なの?」

すると、春人がおかしそうに笑い出す。

「さすがに、それはないよ。嫌いではないけどね。ちょっと贅沢なバスタイムで元気になれることって、あるでしょ?」

そう言われて、珠ははっとする。
自分のために、春人が用意してくれたのだ。

「春さんはクレンジングも、持ってるの?」

「ええっ? なんのこと?」

クレンジングの意味がわからなかった春人が聞き返す。


「私のお化粧、おとしてくれたでしょ?」

「ああ。ネットで調べたら、オリーブオイルで代用できるって書いてたから、やってみたんだ。もしかして、肌、べたついたりしてる?」

「ううん、全然。いつもと変わらないよ。オイルの化粧おとしもあるし」

「良かった。化粧おとさずに寝たら肌に悪いって話、よく聞くから、一瞬迷ったんだけど。化粧水と乳液は男性用しかなかったから、心配だったんだ」


珠は春人の思いもよらない会話にただ驚くばかりだった。
一人暮らしの男性の家にオリーブオイルがあることも驚きだし、化粧水と乳液まで常備しているって……。

< 130 / 181 >

この作品をシェア

pagetop