雪恋ふ花 -Snow Drop-
「ふーっ」
珠は思わず、大きな息を吐いた。
春人がいきなりあんなこと言うとは思ってなかった。
でも、ちゃんと考える時間を与えてくれる春人の優しさが見にしみた。
きっと、このまま帰りたいと言ったら、春人は許してくれる。
でも、珠はもう逃げるのをやめようと思った。
心と体は、すでに春人に傾いている。
お風呂から出て、珠がリビングに戻ると、春人が優しく微笑んだ。
「僕も入ってくるね」
春人が頭をぽんぽんとたたいて、出て行った。