雪恋ふ花 -Snow Drop-
春人が案内したのは、ゲレンデの外にある、古めかしい蕎麦屋だった。
昼時分を過ぎていたので、店の中はすいていた。
「何でもうまいけど、おすすめは山菜蕎麦かな」
「じゃあ、私もそれ」
さすがは蕎麦の名産地。
こしがあって、本格的な味だった。
山菜ももちろん地元で取れたものだ。
「雪、どうでした?」
「ああ、いい雪だったよ。ここはいつでもパウダースノーだからな」
「飯食ったら、ちょっと早いけど、宿に帰るか?」
「えっ?」
「友達と連絡つかないんだろ」
「はい」