雪恋ふ花 -Snow Drop-
バス停までの道を、重いスキーバッグを引っ張りながら歩いていると、ずっと堪えていた涙が、珠の頬を伝った。
賢ちゃんとは、もうだめかも。
なんで、こんなことになっちゃったんだろう……。
スキーシーズンに公共交通機関を利用する客はおらず、バス停には誰もいなかった。
本当にバスは来るんだろうか、もしも来なかったら……。
そんなことを考えると、寒さと不安で体ががたがたと震えだす。
日も暮れてきて、あたりも暗くなり始めている。
賢の車はさっき目の前を通過したばかり。
助手席にばっちりメイクのきれいな女の子を乗せて。