雪恋ふ花 -Snow Drop-

帰りのバスの中、珠は無言だった。
春人もほとんどしゃべらない。

「来週は、忙しいですか?」

「え?」


珠がおそるおそる口にする。

「また教えてほしいの。パラレル」

「ああ、週末はたいてい暇にしてるから、いいよ」

「じゃあ、また土曜日でいい?」

「うん」


春人も複雑な思いをかかえていた。
始めた以上、何とか滑れるようにしてやりたい。
けれども、珠が滑れるようになった時、イコールそれは二人の別れの時でもあるのだ。


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