雪恋ふ花 -Snow Drop-

30分以上経ってから、運ばれてきた自家製燻製に珠は思わず笑顔を浮かべた。
家庭用サイズの小さな燻製鍋の蓋を取ると、桜チップのいい香りがあたりに漂った。
網の上には、鶏のささみとゆで卵とチーズが並んでいた。
一口サイズに春人が切り分けてくれた、チーズを食べてみる。
スモークの香りと味が、チーズにさらにコクを与えていた。

落ち込んでいる時、春人はいつもおいしいものを食べさせてくれる。
そのさりげない心遣いに、珠は心があたたかくなった。


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