雪恋ふ花 -Snow Drop-
しばらく待って運ばれてきたのは、卓上用の小さなフォンデュ鍋と小さくカットされたフルーツ。
長い鉄櫛に好きなフルーツをさして、チョコレートをくぐらせる。
春人は少し抵抗があったのだが、食べてみると、チョコレートの甘みが控えめでおいしかった。
「また、ついてる」
珠の口元についたチョコレートを指でぬぐうと、春人はその指を自分の口に入れた。
「あ」
珠が小さな声をあげて、息をのんだのを見て、春人は初めて自分の行為に気がついた。
「いや、悪い、無意識だった。気持ち悪いよな、こんなの……」
珠が真っ赤になって、ぷるぷると首を振る。
持っていた鉄串を珠が落とし、皿とふれて大きな音がした。
「ごめんなさい……」
「深い意味なんてないから、そんなにあせるな」
春人は急にはずかしくなって、思わず横を向いた。