傷ついてもいい
「あーあ、ランチ食べそこなったよ」

二人で仕方なくコンビニでパンを買い、構内のベンチに座って食べた。

麻衣子は、ブウブウ言いながら、サンドイッチにかぶりついている。

「ごめんね」

佳奈は、なんとなく申し訳ない気持ちになった。

「あのさあ、前から聞きたかったんだけど」

麻衣子が不意に耳元に口を寄せた。

「ん?」

佳奈は、メロンパンをカプリとかじる。

「佳奈ってさあ、相澤くんのこと好きなんじゃないの?」


「ななな、んなわけないでしょう!バッカじゃないの?」

佳奈は、動揺して、メロンパンを落としそうになった。

「だってさあ、相澤くんと話してるとき、佳奈、いっつも顔緩んでるよ」

「ありえない!やめてよね!」

佳奈は、ムッとして顔を背ける。

「そうかなあ?」

麻衣子がしつこいので、佳奈は、仕方なく話すことにした。
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