傷ついてもいい
「でさあ、その子にホテル誘われちゃったよ」

「へ、へえー」

さすがに動揺してしまった。

「で?行ったの?」

佳奈は、ゴクリと、唾を飲んだ。

「行かなかった」

「え?、なんで?」

佳奈は、心の中でホッとする。

「だってさあ、嫌じゃん。女の子から誘われるなんてさあ」

「ああ、そっか」

直己は、案外男らしいところがあるのを佳奈は知っていた。

一緒にテレビを見ている時などに、最近の女の子は積極的すぎて萎える、などと、よく言っていた。

「佳奈さんさあ」

「え?」

「抱かせてくれる?」

「は、はあ?何言ってんのよ!」

佳奈は、焦って耳まで真っ赤になってしまった。

「そうだよなあ。ダメだよねえ」

「当たり前でしょ」

佳奈は、ドキドキしながら、もう一度誘ってくれるのを待っていた。

「え…」

次の瞬間、直己は、もう爆睡を始めていた。


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