傷ついてもいい
「あーっ!もう聞いてよ!マジムカつくあのオヤジ!」

由奈は堰を切ったように話しだした。

どうやらバイト先のカフェの店長からセクハラを受けているらしい。

「毎日、お尻触られてさ!その度にムカついてたんだけど、昨日、休憩室にいたらいきなりキスされたんだよ!」

色白でパッチリ目、可愛いタイプの由奈は、奔放な性格も小悪魔的に思われるのか昔からよくモテていた。

黒髪も性格もまっすぐ真面目の佳奈とは見た目も性格も対象的だとよく言われていた。

肩までの茶髪をゆるく巻いた由奈は、チョウの髪留めをしている。

まるでお花に蝶々が留まっているみたいだと佳奈は思った。

「そりゃあひどい!」

直己が叫んだ。

「なんなの?ソイツ!最低じゃん!」

「でしょ?!うち小さな店だから、休みたいときとか店長にお願いしないといけないの。だから逆らえないってわかっててさあ」

「やめちゃいなよ!そんな店」

直己は、由奈と一緒になって怒っている。


「うん、だからさっき辞めてきた」

「え?」

佳奈は、由奈をみる。

「また辞めてきたの?由奈、専門学校もやめちゃったし、バイトも何回やめたのよ」

「だって」

まあ、そんなセクハラをされれば仕方ないのかもしれないけれど。

佳奈には経験が無くてなんといっていいのかわからなかった。
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