傷ついてもいい
「それで直己、学校やめて地元でまた仕事探すって言ってたらしいよ」

「そう…」

「大変だろうけど、直己が決めたことだもんね」

佳奈は、由奈の話を聞きながら、半分は信じられかなった。

せっかく就職も決まったのにとか、授業料なら、教育ローンとか色々あるじゃん、とか本当に普通のことだけを考えていた自分が恥ずかしくなった。

直己のほうが、ずっと大人だ。

由奈だって、決して直己の生き方を否定していないし、それぞれのやり方があることをきっと理解しているんだろう。


「お母さん、早くよくなるといいね」

「ほんとだね」

佳奈は、直己がどうして自分に話してくれなかったのか、それがさみしくて情けなかった。



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