傷ついてもいい
ウトウトしていると、携帯が震えて佳奈は、ハッと目を開けた。

あるわけがないのに、直己からかと思い、慌てて携帯を手にとる。

斎藤からのメールだった。

『久しぶりの実家は、どう?ゆっくりできたかな?こっちは、雨続きで移動も車ばっかり乗ってる。三日間で中年太りになりそうだよ』


メールを読んで、佳奈は、クスッと笑う。

中年太りなんかと、全く縁のない身体なのに。

不意に斎藤の身体を思い出した。

広くて大きな胸板。

硬く締まった腕。

抱きしめられると安心できる、ただひとつの確かなもの。

佳奈は、携帯を握りしめて、斎藤に早く抱かれたいと思った。
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