月光花
連続して発生する事故は、偶然という言葉で片付けるには数が多かった。
それに、事故関係者の大半が今でも病気で入院しているという。祟り――信じたくはないが、受け入れてしまう。
また、火の無い所に煙は立たないという。この言葉が示すように、事故も月光花も噂で済ますことはできない。
誰かが目撃や体験をしたからこそ、このようにネット上に残ったのだと思われる。
科学万能のこの時代。必死に科学で解明しようとしている科学者がいるが、正直「何を躍起になっている」と、思ってしまう。
最近、妖怪の存在も信じるようになった。
その方が、夢がある。
この世界は、人間が解明できない存在があっていいと思う。全てが解明されてしまったら、面白くない。
「で、行くのか?」
「勿論」
「……そうか」
考え事をしていた俺に向かい、友人が話し掛けてくる。その質問に俺は、頷きそう答えていた。場所が特定した今、行かないわけにはいかない。
全ては成美の為であり、これに関して両親は何も知らない。そもそも話すつもりもないし、また成美の両親も同じであった。
「ついて行こうか」
「いや、いいよ。これは、俺がやらないといけないことだから。色々と迷惑を掛けて、御免」
「水臭い。友達じゃないか」
「正直、俺達は驚いている。お前が、これほど積極的だと思わなかった。大人しい性格だしな」
「そうかな」
「自分の性格は、自分ではわからないぞ。それと、何かあったら連絡してくれよな。急いで、駆けつける」
その言葉が、心に沁みる。本当は、ここまで協力してくれるとは思わなかった。
「仲間だから」という理由で動いてくれていると認識はしていたが、内心は「面白いから」と、勘違いしていた。
しかし、それは全くの誤解。
それだというのに、俺は何を考えていたのか――
御免――そして、胸が詰まる。
「花が見付かったら、見せてくれよな」
無論、友人達に見せないわけがない。
何だかんだ言いながら、彼等は都市伝説には興味を持っていた。馬鹿にしたり笑ったりしていても、本心は〈月光花〉の存在を信じていた。
非現実的な話――興味を持たない方がおかしいと言え、それに一部の噂では科学者や研究者が探していると聞く。